ブラック企業の特徴と、嘘を見破る法知識を体験談から解説。

失業保険貰いながら働けだと!?

この記事では、ブラック企業での就労経験が豊富な社労士が、その特徴と問題点を自身の体験談に合わせてお伝えしていきます。

社労士オザワ
新卒で働き始めてから20代のほとんどをブラック企業で過ごして

最後は会社に脅されながら無給で働きました。そんな就労経験からこの記事では、自称ですがブラック企業のスペシャリストと名乗らせて頂きます(笑)

 

以下簡単にこの記事から学べることをまとめてみました。

 

この記事から学べること!

●ブラック企業の特徴が法律的な視点からわかる

●ブラック企業の嘘を見破る知識や考え方を伝授

●ブラック企業の問題点と、入社前・後の対処法を知ることができる

また同じくブラック企業で働いていた方には、共感して頂けるだろう内容にもなっています。

 

ブラック企業の定義は?

まず始めに曖昧な方も居るのと思うので、ブラック企業の定義を書いていきます。

このブラック企業という言葉、国が公式に定めた定義は無いのですが、厚生労働省はHPにてブラック企業を以下のように表現していたので引用します。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

引用:厚生労働省・確かめよう労働条件、「ブラック企業ってどんな企業なの?」

社労士オザワ
要は労働者を大切にしないで、使い捨てる会社がブラック企業なんだ!

 

ブラック企業での就労経験

それでは次に私のブラック企業での就労経験をまとめてみます。

①新卒、23歳で金融関係の会社に就職

2年で退職後

②地元のホテルに勤務

29歳で退職

①の金融関係の会社は夜中まで働いたり、成果が出ないと休憩を削られたりとひどい会社でしたが②の会社はそれを上回るほどめちゃくちゃな会社だったので

今回の記事ではこの②の会社の経験を元に体験談をまとめていきます。

 

入社して1年目の体験談

最初はよくある話ですが、徐々にブラック度が増しますのでご安心ください(笑)

①の会社を退職後25歳で地方のシティーホテルにフロントスタッフでアルバイトとして採用されました。

ブラック企業の特徴①労働条件通知書が無い

採用面接は1回、雇用契約も労働条件に関する書面の受け取りもありませんでした。当時はブラックな企業でしか経験が無かったので面接→採用は口約束が普通だと考えていました。

実際には雇用契約の締結は口約束でも大丈夫ですが(そんな企業は少ないけど)労働条件に関しては労働基準法15条により書面により明示しなければならない事項が決められています。

簡単に書面で明示しなければならない事項を箇条書きします。

●労働契約の期間

●期間の定めがある場合は更新する際の基準

●就業の場所・従事すべき業務

●始業及び就業の時刻・所定労働時間を超える労働の有無(残業)・休憩休日休暇に関する事

●賃金の決定・支払方法・支払時期

●退職に関する事項

もっと詳しくその詳細が知りたい方は下のHPがとても参考になりなります。

参考になるHP:厚生労働省・確かめよう労働条件、採用時にはどのような労働条件が明示されるのでしょうか?

労働条件についての書類、労働条件通知書は必要な事項は必ず記載して労働者に渡さなければならないものです。この書類を渡さないということはブラック企業の確率が高いと言えます。
社労士オザワ
ちなみに数年後勇気ある従業員が採用された際に、何で労働条件についての書類が無いのか支配人に聞いたことがありましたが

「そんな書類うちみたいな中小企業にはねえよ!とめちゃくちゃ怒っていました(笑)もちろんその後、その従業員は採用を辞退しましたが

 

ブラック企業の特徴②サービス早出を強制

その後入社してからは社員は夜中まで残業をしていましたが、アルバイトだったので定時に出社して定時に退社する普通の生活を送っていました。

しかしここで正社員への登用を期待してか、フロントから営業への職種変更が行われました。

ただ、営業への職種変更の当日事件が起きます。出社時間の10分前に出社したところ営業の担当上司が激怒「俺達先輩社員が30分から1時間前に出社してるのに、お前は10分前ってなんだ!お前なんか営業として認めん!」

当日はいくら謝っても許してもらえず、しかも人が足りないといういうことで営業の定時である17:00以降もフロントとして夜まで働くおまけつき

これ法律的な話をするまでもなく、従業員は早出や残業命令が出た時以外は労働時間以外に出勤を強制される理由はありません。(早出分の賃金が発生するなら別ですが)

しかしたとえば8:00が労働時間のスタートだとしたら、8:00丁度にタイムカードを押して着替えて8:00過ぎてから勤務をスタートすることは、会社との雇用契約を果たしているとは言えないこと

また社会常識としても良くないので、これは避けましょう。

参考になる記事

ブラック企業は賃金を払わないくせに早く出社することを強制しがちです。賃金の出ない早出出勤は違法です。
社労士オザワ
その後、労働組合の力が強く順法意識の強いホワイト企業に勤めた際

毎日早く出勤して業務をする社員が居た時に、コンプライアンス上よくないということでその社員は上司から注意を受けていて驚きました。

 

その後営業での勤務は取り消しになり、アルバイトとしてフロントに勤務する日々が続きました。

またその他にはこんなことも

ブラック企業の特徴③労災に加入してないと言う

フロントで夜勤の従業員と交代の際に、天井の電球の交換をお願いしたらこんなことを言われました。「この前支配人がうちは労災に入ってないから、ケガをしないようにねって言ってたよ!だからそんな仕事はできません」

無知な私でも労災は従業員を1人でも雇ったら必ず会社は加入しなければならないことを知っていたので、会社は入っているからということを伝えて電球交換をお願いしました。

そして後日、支配人や社員が集まる事務所でフロントの直属の上司が私を大声で叱責しました。

「あんた夜勤の〇〇さんにうちの会社が労災に入ってるって言ったでしょ!うちの会社は労災になんて入ってないの!いい加減なこと言わないでよ!」

その場で聞いていた支配人と他の社員はそれが違法だと知っていたのか無言でしたが、どうしても納得できなかったので他の会社で労務関係の仕事をしている他のアルバイト従業員に相談しました。

そしてその従業員から私の直属の上司にそれが違法であることを説明してもらい、その件は解決しました。

労災は労働者災害補償保険法という法律があってその中の3条に規定されているのですが、アルバイトや日雇いなどの雇用形態にかかわらず労働者を1人でも雇ったら加入することが会社に義務付けられています。

*個人経営の5人未満の農業・畜産業・養鶏業・水産業(一定の条件あり)林業(常用的に雇っている労働者がいない場合のみでなおかつ年間で使用する労働者が300人未満の場合)は、会社の労災への加入は任意になっていますので注意してください。

ほとんどの会社は労災への加入は義務になっていると思いますが、もし上記に当てはまる会社にお勤めの方は労基署など問い合わせると自分の会社が労災の適用対象か教えてくれると思います。

参考になるHP:厚生労働省、労災補償

労災保険なんて入ってないし、仕事でケガしても何も出ないからな!という発言に要注意、労災保険への加入は会社の義務です。
社労士オザワ
ちなみに、労災保険は義務ですが意図して加入していない、お金を払っていない場合でも労働者が労災保険の給付を得る権利は無くなりません

困ったら労働基準監督署に相談しましょう!というか今でもこの話は思い出すと怒りがこみ上げてきます。

 

ブラック企業の特徴④労働条件を意のままに変更する

そしてホテルに勤めて1年が経とうとする時に、支配人からフロントの従業員にこんなお達しが出ました。

今会社の経営状態が悪くなってきたので、フロントの従業員は勤務時間を短縮することにする!この時間は必ず守るように、もし守らなかったとしてもその分の給料は払いません。

これ結構あることかもしれません、それに会社が危ないんなら受け入れざる負えないのでは?と思う方も多いかと思います。

でもこれって違法なんですよね、労働契約法8条で労働契約の内容の変更は使用者と労働者の同意が無ければ変更は出来ないことになっています。

また就業規則(労働者が10人以上の会社に作成義務があり、この就業規則は採用された際に労働者の労働条件になる)を変更することでも、使用者が一方的に不利益に労働条件を変更することが出来る場合があります。

しかしこれには決まりがあり

①その規則を労働者に周知していた②その規則が合理的であること(不利益・必要性・相当性・労働組合との交渉で判断)

こちらが要件になっています。私が働いていたホテルには就業規則がありましたので、その一方的な変更となりました。

しかしこの就業規則の不利益変更は

ざっくりと説明すると相当必要な状況でないと認められないので、私のようなただ経営状態が悪くなってきたから採用の際に約束した労働時間は短縮ね!ということは認められません。

詳しく知りたい方は、参考になるHP:独立行政法人・労働政策研究、研修機構、就業規則

労働条件を簡単に変更する会社には要注意!それは違法の可能性大です。
社労士オザワ
後から聞いた話ですが、この支配人を中心とした上司達はこの時給料の変更は何も無かったそうです。

また自分はこの時短勤務により給料が大幅に減りました。酷すぎる!

 

ホテルに勤務してから1年後、1人の社員を除いて他の社員が一斉に退職しました。理由はもうこの会社は売り上げが低いので倒産寸前だ、もうこの会社ではやっていられないという理由でした。

私はというと、辞めて行った社員への反発もあったので支配人にお願いをしてフロント兼営業の社員として残ることにしました。(このことが最高の悲劇を生むとは・・・)

 

2年目の体験談

ブラック企業の特徴⑤サービス残業が当たり前

社員として新たにスタートを切った2年目、今までは定時に帰れる生活だったのですが、フロント以外にも営業の仕事も兼務していたので

徐々に毎日の残業時間が増えていきました。特に自分の担当している宴会があったりすると深夜まで残らなければならず朝から晩まで働く日々でした。

もちろん残業代は出ていません。その時は残業代は会社が払わなければならないことはわかっていましたが、会社の経営状態が厳しいことを知っていたので

中小企業は残業代なんて出したら経営が成り立たないんだ!なんて勝手に思って納得していました。

でもその後普通の会社に勤めて気づきました。残業代を出すことは普通のことなんだと

労働基準法でも37条時間外・休日及び深夜の割増賃金という条文があって、時間外労働は2割5分・休日労働は3割5分の割増賃金(残業代)を払うことが義務づけられています。

参考になるHP:厚生労働省・確かめよう労働条件、賃金

当たり前ですが、サービス残業は違法です。会社がどんな屁理屈で残業代が出ないことを説明しても、多くの会社はまっとうな経営をして残業代を出しています。

このサービス残業は特徴というかブラック企業にもれなく付いてくる付属品みたいなもんです。

社労士オザワ
割増賃金は、法定の労働時間から1分でも超えたら発生します。もし払われない場合は、1日に働いた時間をメモに取るようにしましょう。その後会社に未払いの残業代を請求する際の証拠になります。

 

ブラック企業の特徴⑥社会保険に入れてくれない

そしてこの2年目のホテル勤務の中である日、こんなテレビを見ました。社会保障から除外される貧困層、その問題に迫るというもの

NHKだったと思いますが、そこである衝撃的なことに気づきます。

あれ?俺健康保険とか厚生年金に入ってないよね?

まあこれに今まで気がついてないことが悪いのかもしれませんが、国民健康保険にも加入申請をしていなかったので、無保険状態でした。(その後国民健康保険は未払いのお金を全額支払いました。)

そして支配人にどうしても入りたいとお願いしましたが「それはちょっとまって、保険料を滞納してるから加入申請できないんだよ」と言われました。

その後数カ月して念願の健康保険と厚生年金保険に加入出来ましたが・・

この社会保険と言われている健康保険と厚生年金保険は、法人の場合は1人でも・個人事業の場合は5人以上(農林水産業・飲食店、理容、美容業等のサービス業の一部・弁護士、税理士等の自由業・宗教業の個人事業は人数にかかわらず非適用)

の労働者を雇っている会社は必ずその従業員を加入させなければならないことになっています。また短時間勤務の労働者もフルタイムの労働者と比べて労働時間が3/4以上になる者は、加入させることが義務付けられています。

この他500人以上の労働者を雇用する企業は、1週間に20時間以上働いている・1年以上雇用される予定・賃金が月額8万8000円以上の要件で短時間労働者を健康保険と厚生年金に加入させなければなりません。

社会保険は一定の短時間勤務以外は必ず加入させなければならないものです。うちはそんなの無いから!という発言にはご注意を
社労士オザワ
自分の場合は採用されてからすぐ3/4基準を超えていたので、加入する権利がありました。

またその後採用されたフロントのアルバイトスタッフは社会保険に加入することが出来ずに、会社と揉めて辞めていくこともありました。

 

ブラック企業の特徴⑦有給休暇が存在しない

そしてそんなブラック企業に嫌気がさしたのか、社員が一人退職することになりました。

その社員が退職する際に残っていたというか、使わせてもらえなかった有給休暇を人事担当者に申請した際に、こんなことを言っているのが聞こえてきました。

「あなた今の会社の状況わかってるわよね?みんな苦しい状況で働いているんだから、この会社には休んだのに給料を払う余裕なんてないわよ、どうか納得してちょうだい」

その社員は納得して有給を申請せずに辞めていきましたが、これも当たり前ですが労働基準法39条によって有給休暇は労働者に当然の権利として認められ

その有給休暇の利用は、時期指定権といってその休む日の指定や利用方法は労働者が自由に決められるきまりになっています。

参考になる記事

有給休暇は労働者に認められた当然の権利です!こちらから言わないと使わせてくれない会社も多いので、そんな場合は就業規則をよく読み勇気をもって申請しましょう。
社労士オザワ
有給休暇を労働者に与えた方が、リフレッシュになって仕事の生産性が上がると思うんですが、そんなことブラック企業は理解してくれないか(笑)

 

3年目の体験談

ブラック企業の特徴⑧給料が遅延しだす

3年目も朝から晩まで働く日々は続き、ついに会社からの給料が遅延するように

遅延の仕方は給料日に全額が記載された明細が支給されるのですが、中身は半分とかその時の金庫の状況に応じて支払われ全額支給されるのは1ヶ月くらい経ってからでした。

この給料の遅延は労働基準法24条賃金支払いの5原則の中の賃金の全額払いに反します。

参考になるHP:厚生労働省・確かめよう労働条件、賃金

こんなの法律の話をするまでも無く違法なのは皆さんわかるでしょう、こうなったらその会社に未来はないので辞めることをおススメします。
社労士オザワ
この給料が遅延してからは、この遅延制度の事を従業員はおこずかい制度と言って笑っていました。

またそれに耐えられずに辞めて行った従業員は裏切り者と呼ばれ、その遅延分が払われることは永遠にありませんでした。

 

ここで、東日本大震災が起きます。

この震災の影響でホテル周辺は計画停電のエリアに指定されたことや宴会の自粛モードが影響してか、ホテルの宿泊や宴会はほとんどキャンセルになって

そしてこれと同時に親会社が経営難から借金を重ね、ホテルが競売にかけられることになりホテルの経営母体自体が無くなりました。(その当時はそんなことは、従業員にはひた隠しにされていた)

そこでホテルの支配人と、ホテルに出入りしていたIT業者が新しい会社を立ち上げてホテルを運営することになりそのIT業者の方が社長になりました。

社労士オザワ
後にわかったことですが、ホテルはそのIT業者に未払いの買掛金が多数あったそうです。

そしてその買掛金の支払いを延期することを条件に自分は経営手腕にたけているからと支配人をそそのかし社長になったみたいです。

ブラック企業の特徴⑨会社と契約している専門家も信用できない、失業保険で働け!

この社長と支配人は、新会社を設立する前に全従業員を集めてこう言いました。(少し長いので要点だけ)

●私は今までIT業者としてだけではなく、色々な会社を見て経営的なアドバイスをしてきているので、経営再生についてはプロということ

●こんな得も無い立場の自分が社長になったのは支配人のお願いも勿論だが、業者としてもよく泊まり思い入れの深い君たちが愛するホテルを救いたいという気持ちが強かった

●こんな私がお願いするのだからどうか聞いて欲しい、旧会社から会社都合で離職ということで離職票を出すので

会社が立ち直る間は、会社都合の離職だとすぐ失業保険が出るからそのお金を貰いながらボランティアで今まで通り働いて、会社がこの震災の影響から立ち直ったら新たに雇い直したいと思う。

もうこれ超ブラック企業です(笑)

そして支配人からは、こんな状況でも予約を入れてくれているお客様を大切にしよう!という話がありました。

実際私自身自分が飛び込み営業で頂いた予約が多数あったため、お客様を大切にしようと言われるとこの条件を受け入れざる負えない状況でした。

また個別に支配人からもお前辞めないよなと念押しされていました。

そして、この会社に携わっていた某法律の専門家(この話は私が聞いただけで証拠が無いので、職業名はぼかします)は経費削減から契約が解除されることになったのですが

事務所でその専門家と支配人が驚くべきことを話しているのを聞きました。

支配人「先生、会社が雇用契約を結ばないで、あくまでボランティアとして働いている分には雇用保険貰ってもいいっすよね?」

専門家「はい、大丈夫ですよ!」

こんなの絶対違法だろ!こんな酷い専門家もいるのかと怒りが込み上げてきたのを今でも覚えています。

その後違法だったら怖いので、他の従業員が実際ハローワークに行って正直に、この方法で失業保険が貰えるか聞いたらダメだと怒られたということが社内で広まり

これはあまりにも危険だということで一部の従業員が退職しました。そしてそんな中、自分は社長の提案を無視して無給で数か月働きました。

全てはお客様のためだと信じて

実際に雇用保険法の第4条にて

この法律において「失業」とは。被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることを言う。

とあります。この労働の意思とは積極的に就職する意思のことです。

私の働いていたホテルの場合は形式的には会社から離職していましたが、元の会社でボランティアという形で働いていたので、労働の意思を有すると認められず失業保険は受給できません。

本当に他所でボランティアする場合は条件があるので参考になるHPをご覧ください。

参考になるHP(雇用保険について):厚生労働省、Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

参考になるHP(雇用保険とボランティア):厚生労働省、休業中の方がボランティアをした場合の失業給付の取扱いについて

たとえ会社に関わっている専門家が違法じゃないと言っても、詳細は自分で調べて判断することにしましょう!会社の味方の可能性もあります。
社労士オザワ
ほとんどの専門家の方は真っ当に仕事をされていると思いますが、この方は最悪です。

そのせいで支配人は先生が言ってたんだから大丈夫だよ!ほんと頭悪いねーと、怖がってハローワークに行かない従業員に言って笑っていました。

もしあの時点でその違法性について先生が丁寧に説明してくれていたら、無給で働くことは無かったかもしれません。

 

そして数か月経ち無事新会社に雇用されるようになりましたが、賃金の遅延通称おこずかい制度は変わらぬまま

その中で社長がまた変なことを言い出しました。

ブラック企業の特徴⑩経費削減で社会保険を切る

「僕は社会保険に詳しいんだけど、あんなの本当に意味無いよ!若い人達は年金が貰えるかもわからない状況なんだからさ、それに健康保険だって国民健康保険に加入すればいいじゃん、会社の負担になるからもう無しだよ。」

めちゃくちゃですが、当時は会社も苦しいし厚生年金の代わりに国民年金に入ればいい、また健康保険も国民健康保険に入ればいいからまあいいか、と考えていました。

でも今考えてみれば、会社が払わない分は自分が払わなければならないため実質の賃金は明らかに減ります。社長と支配人はまんまと騙されてやんの!と笑っていたかもしれません。

ちなみに、厚生年金に加入すると国民年金にも自動的に加入することになるので、年金額は国民年金に単独で加入するより厚生年金+国民年金になる厚生年金の方が年金額が増えてお得です。

また将来もらえなくなるから年金なんて意味無いと言っていましたが、年金には65歳から貰えるものの他にも

障害年金という年金があり、障害を負った場合は65歳にならなくても年金が出る可能性があるので、所得補償を考えても年金を払うことはとても重要だと思います。

というか厚生年金と健康保険はこの記事の中でも記載した通り、法人でフルタイムなら会社は加入させなければならないのが義務です。なので、どうやって行政を騙して加入させなかったのかは今でもわかりません。

社労士オザワ
ここまで来るともう過去の自分の馬鹿さ加減に呆れてきます。無知って本当に怖いです。

営業で仕事を取ってきても変わらぬ給料の遅延、その後ホテルに勤務してから4年目と半年がたった頃、ホテルの建物自体が他の会社に競売で落札されたことにより、会社は倒産して私のブラック企業での就業は終わりました。

 

後日談

ちなみにその後、新たにホテルを競売で買った新宿の医療法人がホテルを改修後また新たにホテルの運営をすることが決まりました。

そこで最後まで残っていた従業員はその新しい会社と面接を行い、今後のホテルのリニューアルオープンの予定や採用のスケジュールなどを聞きました。

しかし、その後その医療法人から連絡が来ることはありませんでした。

社労士オザワ
新しい会社を期待してバイトをしながら半年も待ったんですが・・・まあ期待する方が悪いか。

 

また会社を運営していた社長は倒産1カ月前から雲隠れしてしまいました。支配人によると「あの人は会社への売掛金を回収することが目的だったから、もう俺達には用は無いのさ」とのこと

ブラック企業の特徴⑪未払い賃金を払わない

しかし会社に最後まで残った従業員は平均して3ヶ月分くらいの未払の賃金が残っている状態で、倒産後に支配人に電話をしてもいい答えは返って来ないままでした。

そこで一人の従業員が立ち上がります。その人は支配人の家を突き止めて、その親宛に自分たちが苦しめられた状況を手紙に綴って送り付けたのです。

その作戦が効いたのか、その後支配人から電話があり労働基準監督署に行って欲しいこと、また監督署経由で未払い賃金立て替え払い制度を利用できることとなり、未払い賃金の件は解決しました。

ブラック企業は当然のように未払い賃金は払いません、私の場合は他の従業員が親に手紙を送りましたが

一番有効なのは労働基準監督署に直接相談する事です。その際は給与明細やタイムカードなどの資料を忘れずに持参して下さい。

社労士オザワ
ちなみに、未払い賃金立て替え払い制度は会社が存続している場合は利用できません。

もっと詳しく知りたい方は参考になるHPを載せておくので、見てみてください。

参考になるHP:厚生労働省、未払い賃金立て替え払い制度の概要

 

ブラック企業の問題点

それではこのブラック企業の問題点って何でしょうか?

ただ法律違反しているから悪いと言うのは単純ですが、このブラック企業を放置していると3つの問題が起きると思います。

①労働者が加害者になる可能性がある

ブラック企業での早出出勤・サービス残業が普通という考え方が身体に染みつくと、それを新人にも強制するのが当たり前になります。

そしてそんな先輩はその違法な考え方を新人に押し付けて、長時間労働をさせるでしょう。

でも考えてみてください、もしその新人が過労死したり労基署に駆け込んだり、弁護士にお願いして裁判になったらどうしますか?

もうその先輩は立派な加害者です。

ブラック企業の価値観を善だと信じて働いてきたのに気づいたら加害者に、知識が無いから自業自得かもしれませんが悲しいことだと思います。

②ブラックの考え方を他の会社に伝えてしまう

ブラック企業での就労経験が豊富な人は(自分みたいな)先にも挙げたように法違反が当たり前な価値観が身に染みついています。

自分も実際経験がありますが、ホワイトな企業でも管理職がブラックだと、経営者の目が届かない所で法違反が蔓延するサービス残業が当たり前な事業所になる可能性があり

経営者が気づいた時には、退職者が続出してもう手遅れという状況も目にしたことがあります。

③日本経済への影響

私の勤めたホテルでもそうでしたが、残業代を払うと会社が利益を出せないから法違反をしているのです。(それ以外にただ法律の知識が無い可能性もありますが)

こんな生産性の低いブラック企業

それと比べて普通に法律を守っても利益を確保できる生産性の高い企業

労働者人口が減る中で、どちらの企業で労働者が働いた方が日本経済にとって利益があるかは一目瞭然だと思います。

 

ブラック企業への対処法を伝授

では働く人がこのブラック企業に対処するにはどうしたらいいのでしょうか?

一番は、就職活動をする前に面倒くさがらずにネットなどで面接を受けようとする会社があったらよく調べることです。今はとても便利な世の中になり、会社で働いていた従業員がその会社の評判を記載しているサイトも存在しています。

私はその調べる作業をさぼっていたので、20代は全てブラック企業と言う悲劇を生みました。

そしてもしブラック企業に入ってしまったら、これは本当に単純な話になってしまいますがすぐ辞めるしかないです。

でもこれが意外と難しく

会社は、最低1年は勤めないと次の会社での印象が悪くなるよ!とかすぐ辞めるなんてお前どこ行っても通用しないぞ!なんてことを言ってきたり

また一生懸命仕事を教えてくれた上司への申し訳なさも、この難しさに拍車をかけているのかもしれません。

でもここは繰り返しになりますが、勇気を出して辞めるしかないです。私の体験を見てもわかると思いますが、ブラック企業での時間は無駄でしかないからです。

またブラック企業に入社したての方やブラック企業で長く働いていて辞めていいのか悩んでいる方は、労働局の総合労働相談コーナーに相談することもおすすめします。(これは行政の無料の相談コーナーです)

また長く働いていて、未払い賃金もあったりパワハラを受けているなど状況が酷い場合は弁護士への有料の相談が一番かと思います。

下記に労働局の無料相談コーナーの概要がわかるHPを載せておきますので、参考にしてください。

参考になるHP:厚生労働省、総合労働相談コーナーのご案内

 

まとめ

かなり長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

ブラック企業で働くと心身ともに消耗するので、本当に毎日が地獄の日々です。しかも給料も出ないし

この記事を読んで、これから就職を考えている方がブラック企業に入らなくて済むように、またブラック企業で働いている方はその危険性に気が付いて、退職なり現状を変えられる

そんなきっかけになれる記事になったら嬉しいです。

またこれ以外にもブラック企業での体験談を書いているので、よかったらご覧ください。

 

それでは以上で終わります。

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