有給休暇中の賃金は3つの計算方法から選びます

有給休暇中の給料ってどうなるの?

また会社で有給休暇を管理する際に、有給を取った人の賃金をどのように出したらいいのかわからない

そんな方のために、今回この記事では、有給休暇を取った際の賃金についてわかりやすく解説しています。

有給休暇中の賃金計算方法はこの3つ

そもそもこの有給休暇は、働いてなくても給料が発生する休みです。

労働基準法では有給休暇を使った日にちの賃金は以下の3つの計算方法から選ぶことになっています。

  • 平均賃金
  • 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
  • 健康保険法で定める標準報酬日額

そしてこの中から1つを選んで、就業規則に有給休暇中の給料の計算の仕方を記載することが必要になります。

この意味は、有給休暇中の賃金の計算方法は、各労働者によってその都度このケースは平均賃金でこのケースは通常の賃金

なんて労働者によって計算方法を変えるのではなくて、就業規則にこの計算方法を記載するとこで、計算方法を選んでちょうだいよ、ということです。(平11・3・31基発168号より)

ちなみに、時間単位の有給休暇についてもこの3つの内選んだものと同じものを使うことが必要です。(平21・5・29基発168号)

実際の条文はこちらです。

労働基準法39条7項、電子政府総合窓口e-Gov

なのでこの記事の冒頭に書いたような、自分の会社での有給休暇中の賃金を知りたい人は、自社の就業規則の賃金の項目を見るとその内容が載っていると思います。
社労士ゆち
この中で一般的に企業で採用されているのが、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金です。

これはどうしてかと言うと、次の章でも詳しく説明しますが、取り扱いがとっても楽なことがその理由です。

それでは次の章からは、この会社での有給休暇中の賃金を算出するに当たって

一般的に使われている通常の賃金を中心に、その考え方を説明していきます。

有給休暇中の賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金とは?

まず始めに、この所定労働時間とは会社が就業規則で定めた又は労働契約で決めた労働者の労働時間です。

たとえば、1日の労働時間は9:00~18:00にしますね、といったような

このことを踏まえて

所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金とは簡単に言うと、有給休暇を取らないで普通に働いた時に支払われたであろう通常の賃金のことを言います。

そしてこの通常の賃金を採用した場合の有給休暇中の賃金の具体的な計算方法は、主なものだけ挙げると

  • 時間給 その金額×その日の所定労働時間
  • 月給  その金額÷その月の所定労働日数

こんな計算方法で求めます。

(労働基準法施行規則25条、電子政府総合窓口、e-Gov)

でもこんな計算をいちいちしてるのは非常に面倒ですよね、そこで

所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を有給休暇中の賃金に採用した場合には

いちいち休んだ分の有給の計算をする必要は無く、通常出勤したものとして取り扱ってもいいということになっています。

要は何も計算しなくていいよーということ

(平22・5・18基発0518第1号)

 

これは月の給料が決まっている月給の人や、日給や時間給でも、月に働く曜日と時間が同じ人はこのような取り扱いでも問題なさそうですね。

ただし、時間給で働いていて

たとえば

時給1,000円

月~水 4時間

木~金 8時間

こんな曜日によって働く時間が異なるケースでは、実際には有給休暇中の賃金の計算が必要になりますので

月~水に有給を取った場合は 4時間×1000=4000円

木~金では         8時間×1000=8000円

と有給休暇を取得した曜日の通常の賃金を元に、有給休暇中の賃金を計算して支給します。

有給休暇中の賃金、平均賃金について

次の有給休暇中の賃金計算の選択肢として考えられるのが、平均賃金です。

そしてこの平均賃金の計算方法は簡単に言うと

有給休暇の発生日以前3ヶ月の賃金の総額÷発生日以前3ヶ月の総日数

(実際は、日給・時間給の最低保証の計算式や、賃金の締め日がある時はそこから3ヶ月を計算するなど色々きまりがあります。

この平均賃金の仕組みや計算例をより詳しく知りたい方は、記事にしているのでよかったらご覧ください)

こんな風になり、3ヶ月の総日数で割るので、先ほどの章で挙げた通常の賃金より有給休暇中の賃金が安くなることが多いです。

これは会社が就業規則で定めれば、自由に決められることなんですが

一般的には有給休暇は通常の賃金で計算する会社がほとんどで、働く人もそれが普通だと思っていることが多く

有給休暇を取ったのに給料が減ってる!なんてことになると、従業員も不満に感じると思うのであまりオススメは出来ません。

ただし

①パート・アルバイトで働く時間が日によって違う労働者は、通常の賃金を選択すると先程の章で書いたように

働く予定だった日の労働時間の長い、短いで有給休暇中の賃金が変わってくること、そして結果労働時間が長い日に有給を取得する方が有利になる

 

②パート・アルバイトで働いていて、日によって労働時間が変則的なので、有給申請前に所定労働時間が何時間かわからない

そんな場合は計算が少し面倒ですが、パート・アルバイトの就業規則でこの記載をして平均賃金で有給を計算するという選択肢も視野に入って来ると思います。

 

社労士ゆち
また有給休暇中の賃金の計算方法で挙げた中に、健康保険法における標準報酬日額というものがありましたが

これは使うことがほとんどないので、省略させて頂きました。

それでは以上で終わります。