派遣切りが横行?2018年問題の真相は法律にあった!

派遣切り反対 (1)

以前派遣切りが話題になったのが2008年、時はリーマンショックの大不況の時期でした。

そしてあれから10年経った現在、またしても大量の派遣切りが横行するではないか?と話題になっており、2018年問題なんて言われ方をしてニュースや新聞でも大々的に取り上げられています。

 

でも皆さん思いませんか?

 

リーマンショックの時は不況だったから派遣切りが横行するのはわかるけど、有効求人倍率も高いし企業の業績もいい今なんで派遣切りなんだよ!と

社労士オザワ
そこで今回は、なぜ今派遣切りが横行しているのか?ということについてニュースより少し詳しく、また専門サイトよりちょびっとわかりやすく解説していきたいと思います。

 

そもそもの始まりは2015年の派遣法改正

要チェック!

この派遣切りの2018年問題、そもそもの始まりは2015年に労働者派遣法という派遣についての法律が改正され、次の2つの内容が追加されたことが大きく影響しています。

 

①26種類の業務について派遣の受け入れ期間の上限を作った。

 

この①を理解したうえで

 

②3年間派遣される派遣労働者に対して、雇用確保措置という措置を派遣元がとらなければならなくなった。

 

この②を見るとこの派遣切り2018年問題の真相が見えてきます。

 

ただこれだけだと意味わかんねーってことになりそうなので、以下順番に説明していきますので安心してくださいね!

 

労働者派遣の期間の上限

契約

今までは26種類の業務については会社が派遣を受け入れる期間に制限が無いですよ!と法律で決められており何年でも受け入れ先の会社は派遣を受け入れることが出来ました。

そんな26種類の業務ですが、内容は↓こんな感じ

 

ソフトウェア開発・機械設計・放送機器等操作・放送番組等演出・事務用機器操作・通訳、翻訳、速記・秘書・ファイリング

調査・財務処理・取引文書作成・デモンストレーション・添乗・建築物清掃・建築設備運転、点検、整備・案内、受付、駐車場管理

研究開発・事業実施体制の企画立案・書類等の政策編集・広告デザイン・インテリアコーディネーター・アナウンサー・OAインストラクション

テレマーケティングの営業・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業・放送番組等における大道具小道具

 

しかし2015年に派遣法が改正されてから、上に挙げた業務も含めて全ての業務で会社が派遣会社から派遣を受け入れることが出来る期間に2つの上限が設けられました。

 

①事業所単位だと派遣は3年までしか受け入れ出来ない

この事業所とは、たとえば会社全体じゃなくてその会社が本社と支店に分かれているようなケースだと、本社や支店単位を指します。

そしてこの事業所単位では、個人では無くて派遣会社からの派遣の受け入れ自体が3年と制限されています。

 

ただし、これには例外があって以下のことをすると更に3年間延長することが出来ます。

●3年経過日の1ヵ月前までに「派遣期間を3年間延長してもいいですかね?」と会社で過半数を占める労働組合の意見を聞く

●その組合が「それおかしいんじゃないですか!」と異議を述べた場合は、派遣期間を延長する理由を組合に説明すること

このように会社では労働組合の意見を聞きながら3年ごとに派遣の受け入れ自体を延長していくことが可能です。図で表すと↓のような感じ。

派遣期間の制限

引用HP: 厚生労働省、平成27年労働者派遣法改正法の概要PDF

そして次に説明する2つ目の期間がめちゃくちゃ重要になります。

 

②個人単位では派遣の期間は3年まで

先ほど説明したのは派遣を受け入れること自体の期間でしたが、こっちは個々の派遣従業員の受け入れについての期間の上限です。

この期間の限度は3年までですよ!と決められています。

そしてこの個人単位での派遣の受け入れ期間にも例外があって、たとえば庶務課に3年勤める→労働組合の意見を聞く→総務課で更に3年の受け入れが可能となります。

要は今まで働いていた組織単位が変わると同じ会社でも更に延長できますよーということです。

派遣期間個人

引用HP:厚生労働省、平成27年労働者派遣法改正法の概要PDF

 

 

派遣元の雇用確保措置とは

それでは派遣そのもや派遣労働者は、派遣先の事業所での受け入れが3年に制限されたことで、派遣元(実際働く派遣先ではなく、派遣される労働者が属している会社)の事業主には

 

派遣労働者の雇用を安定させるために雇用確保措置!という措置が設けられました。

 

この雇用確保措置とはどんな措置かと言うと(絶対しなければならない義務の規定だけこの記事では取り上げています。)

こんな人が対象
●同一の組織単位(たとえば経理課とか)の業務について3年間働く見込みがある

●その労働者が派遣期間が終わっても、まだ働きたいです!と希望している

上記のような派遣労働者については、以下のうちいずれかの措置をしなさいよ!と義務付けられています。

①派遣先への直接雇用の依頼

②新たな派遣先の提供

③派遣元の会社で無期雇用する

④その他雇用の安定を図る措置(新たな就業の機会を提供するまでの間に行われる有給の教育訓練   、紹介予定派遣等)

 

派遣切り、2018年問題が起きる真相

ここまで見てきて、まず始めに個人での派遣期間は1つの部署で3年までになり、組合の意見を聞いたら部署を変えて3年延長できるよ!とはいっても

なかなか部署を変えてまで受け入れる企業も少ないと思うので、この改正労働者派遣法が施行(スタートした)2015年9月から丸3年経った2018年の9月末以降には

今まで説明したものは改正法がスタートしてからの派遣契約が対象になります。 

じゃ3年が限度だから契約は終わりにしますねー!といったことが予想されます。(要は派遣切り)

 

 

社労士オザワ
というかそれなら、先ほど説明した3年になるので派遣元の雇用確保措置の対象になるからまだいい!もっと深刻なのは次のようなケースです。

でも派遣元の会社はこう思うでしょう

派遣労働者を3年間派遣したら①~④までの措置を取らなきゃいけないんだ!なら3年経過する前に契約を切っちゃおう!

たとえば、3ヶ月や半年更新をしている派遣労働者のケースでは、派遣元の会社が3年経過時の雇用確保措置を嫌がって2年9カ月とかのギリギリの期間で契約を終了することも考えられます。

これはひでえ・・

そしてもうおわかりかとは思いますが、この労働者派遣の2018年問題は、派遣労働者のためを思って作られた法律が裏目に出たということがことの真相です。

 

まとめ

今回の問題は2018年問題と呼ばれていますが、実際は法律が存在するまでこれから先もずっと続くものなので、2018年の9月以降も

今回の記事で説明したような3年やもっとひどい、3年を待たずした派遣切りが横行することが予想されます。

ただ、短い期間をひたすらに契約更新した場合には、そりゃ解雇と同じだよ!と判断される可能性もあるので、企業も注意しなければならないことはもとより

派遣で働いている方も、困ったら行政等の各種相談機関に相談することをおすすめします。

 

それでは以上で終わります。

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