労基法6条、中間搾取の排除、派遣と労働者供給の違いってなんだ!?

中間搾取の排除
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労働基準法1条から7条までは労働基準法の基本7原則と呼ばれ、労基法の基礎と位置付けられており、労働基準法を理解する上で大切な考え方になります。

今回は労基法6条中間搾取の排除について、条文の紹介と内容の解説、そして事例を用いて労働者派遣と労働者供給の違いまでを解説したいと思います。

社労士オザワ
それでは条文を見ていきましょう!

 

中間搾取の排除、条文と罰則

労働基準法6条、中間搾取の排除

何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

条文の引用HP電子政府の総合窓口 e-Gov 労働基準法

またこの中間搾取の排除に違反には、罰則として1年以下の懲役・又は50万円以下の罰金が科せられます。

 

ここで条文の用語解説!

この何人もとは、事業主に限定されず全ての団体・私人・公務員を対象にしている。要は対象者全てに適用されます。(昭和23年3月2日基発381号)

 

法律に基づいて許される場合の他とは、職業安定法32条による有料職業紹介事業が該当します。

有料職業紹介事業と聞くとなんだか難しそうな感じがしますが、要はネットで検索するとよく見かける転職エージェントなどが該当します。

エージェント経由の求職者を採用すると会社はエージェントに手数料を払う、このため有料職業紹介事業と呼びます。ちなみにこの有料職業紹介事業は求職者からは手数料を受け取ってはならず

またこの事業を営むためには許可を受ける必要があり、労働局を経由して厚生労働大臣に申請します。有効期間は新規3年更新5年です。

またこの有料職業紹介事業は、湾岸運送業務・建設業務については紹介できないことになっています。

 

業として、これは1回であっても、最初から反復して行う意図がある場合は業としてに当たります。ようは反復継続して行うことが業としてです。(昭和23年3月2日基発381号)

 

他人の就業に介入し、とは労働関係の当事者、使用者と労働者の間に、第三者が介在してその労働関係の開始存続について、媒介又は周旋をなす等その労働関係について、何等かの因果関係を有する関与をなしていることである。(平成11年3月31日基発168号)

 

この条文が禁止していること

この条文は

①仕事を紹介することで会社や労働者から手数料を取るようなことはダメですよ!(厚生労働大臣に登録すれば職業紹介事業と言って会社から手数料を取ることは可能)

②労働者供給事業のような、労働者を単に仕事先に供給してその賃金を中間搾取(ピンハネ)したはダメです!

簡単に説明すると上記のようなことが禁止されている条文です。

 

労働者派遣と中間搾取の排除の関係

ここで皆さん疑問に思うのが労働者派遣です。普通に考えれば労働者派遣も他人の就業に介入して利益を得ているじゃないか!と感じると思います。

しかし実際は労働者派遣は、労働者派遣法で派遣元の会社が派遣先の会社と派遣契約を、また労働者とは雇用契約を結び派遣先へ労働者を派遣するような契約は

法律でこの中間搾取の排除からは除外されており、労働者供給にはあたらないとされているためこの条文には反しない形になります。

*この派遣事業を行うには、労働者派遣法に基づいた派遣事業の許可申請が必要になります。*

 

派遣と労働者供給の違い(事例を用いて)

文字だけだと少しわかりにくいかもしれないので、この労働者供給と派遣との関係が、厚生労働省のサイトに労働基準法違反(中間搾取)被疑事件の送検についてという文書で図とともに説明されていたので紹介したいと思います。

事例の内容を簡単に

平成18年から19年にかけて、ある会社が派遣会社に日雇い労働者の派遣を依頼し、その会社がこの派遣労働者の一部を複数の港湾荷役会社作業現場に派遣して利益を得ていたというものです。

そしてこの派遣労働者は供給先の指揮監督の元就労し、その会社が利益を中間搾取していたとされこの6条の中間搾取の排除に違反すると判断されました。

その中で紹介されていた図が下記になります。

これは法律で認められた通常の派遣関係です。派遣元と派遣先が派遣契約を結び、そして派遣元と労働者が雇用関係を結びます。

そして労働者は派遣先にて、派遣先の指揮命令に従って働きます。これは労働者派遣法で認められています。

しかし・・

この事例では、派遣で受け入れた労働者と派遣先との間には雇用関係はなく支配関係しかありません。そしてその労働者をさらに注文主に派遣して利益を得ています。

これは2重派遣の事例ですが、このように労働者と会社(供給元)との間に雇用契約が無く労働者を供給し、しかも賃金をピンハネして利益を得ているため労働者供給とみなされ、中間搾取の排除に該当します。

参考・出典:厚生労働省東京労働局労働基準法違反(中間搾取)被疑事件の送検についてより

 関連図書

以上で説明を終わります。

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ABOUTこの記事をかいた人

社労士オザワ

2017年6月に都内で社会保険労務士の登録をしました。 現在非開業、その他登録の社労士です。 このブログでは、労働関係の法律についての知識や 自身の体験を元に、労務管理の情報を発信しています。