過労死ラインについて解説、知ることが会社と労働者を守る

過労死ラインは何時間

こんにちは、社会保険労務士のオザワです!

最近ニュースや新聞などで過労死ラインを超えていた、なんて言葉を目にする機会が増えてきました。でも皆さんこの過労死ラインって言葉の意味はご存知ですか?

経営者の方は、会社のリスク管理や従業員が健康に働けるように、また労働者の方は自分の命を守るために、この過労死ラインという言葉の詳細を知っておくことはとても重要です!

そこでこの記事では過労死ラインについて、実際にこのラインになってしまう具体的な時間からその根拠をわかりやすくまとめてみましたのでよかったら最後までご覧ください。

 

過労死の意味

そもそもこの過労死とは生活習慣病や加齢によってでは無くて

働き過ぎなどの仕事上の負荷が身体に、または心理的な負荷がかかったことにより、脳梗塞などの脳疾患・心筋梗塞などの心疾患・うつ病などの精神疾患にかかり亡くなることを言います。

今までの持病が仕事中に発症した場合は、過労死とは言いません。あくまでも仕事が影響して身体に変化が起き死亡した場合に過労死と呼びます。

過労の認定基準

でも実際持病で亡くなったのか、仕事中の負荷が原因で亡くなったのかどうやって判断するのでしょうか?

そこで厚生労働省は、脳疾患+心疾患・精神疾患の2つにわけてこの過労死になる基準を示し、これを労災の認定に使用しています。

  • 脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準(平成13年12月12日付け基発第1063号厚生労働省労働基準局長通達)

 

  • 心理的負荷による精神障害の認定基準について(平成23年12月26日付け基発1226第1号厚生労働省労働基準局長通達)

 

労災に認定されれば、遺族には労災保険からの給付が受けられるためこの2つはとても重要です。

そしてこの判断基準の中で脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準が過労死ラインの時間も元になっているものになりますので、次の章でみていきたいと思います。

 

過労ラインは何時間?

先に挙げたこの労災の脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準は、業務による明らかな過重負荷として

  • 異常な出来事
  • 短時間の過重業務
  • 長時間の過重業務

この3つの判断基準を用いていて、この中で長時間の過重業務にて長時間の時間外労働と過労死(脳血管疾患及び虚血性心疾患等)との関連が高いですよ!という時間がまとめられています。

別の言い方をすると、この時間を超えて時間外労働をすると健康リスクが高まり過労死する可能性が高まります。

そしてこの時間ですが、言葉だけで表すと少しややこしいので表にしてみました。

期間時間外労働業務関連性
1~6か月平均45時間以内薄い
1~6か月平均45時間超え徐々に強まる
1か月前100時間超え強い
2~6か月平均80時間超え強い

この表の中で

2~6カ月平均で80時間を超えると過労死と脳血管疾患及び虚血性心疾患等と業務との関連性が強くなるということ、この時間外労働80時間越えの記載を理由に時間外労働の80時間越えを過労死ラインと呼んでいます。

 

働く人や会社が注意する事

実際私も企業で働いているときは、繁忙期に2か月くらい残業が1日4時間・1か月80時間を超えることは多々ありました。

働いている時は過労死ラインなんて知らなかったし、実際働いていると身体も慣れてくるし特に自分の健康なんて気にはしていませんでした。

でもこうした労働は、医学的な知見からも過労死のリスクが高いため労災認定の基準として定められています。

働く人は、自分がこの過労死ラインを超えて働いている場合は、自分の健康に注意する必要があります。もし体調がおかしいと思ったらすぐに医療機関への受診をおすすめします。

そして労働安全衛生法52条では、長時間労働の健康障害防止のために

  • 1週40時間を超えて労働させた場合は、超えた時間が1か月100時間を超えて尚且つ疲労の蓄積が認められる場合に、労働者が申し出ると医師による面接指導が義務付けられています。

 

  • また45時間・80時間越え・2~6か月平均で80時間越えの時間外・休日労働をしている労働者にも申し出により義務ではないですが、面接指導の努力義務が課せられています。

 

企業にとっては、労働者は会社の宝です。

この過労死ラインを理解して、月の労働時間がこのラインを超えるようであれば労働安全衛生法にあるような医師による面接指導を労働者の申し出を待たずにすすめたりすることや、時間外労働の削減を考えた方がよさそうです。

 

まとめ

今回は過労死ラインについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

過重労働への風当たりが厳しくなっている昨今、過労死を起こさない労働者が健康に働くことが出来る会社を作ることは大切なことです。

この過労死ラインを理解して働く人は自分の健康を、会社は自社の労働者の健康を守れる企業にしましょう!

 

参考HP:厚生労働省、報道・広報、11月は「過労死等防止啓発月間」です

参考PDF:[PDF]過労死等防止啓発パンフレット(PDF:5237KB) – 厚生労働省