有給休暇の基準日を統一する方法!(管理の煩雑さから解放されるために)

有給休暇の簡単な管理法とは?
スポンサーリンク

1年間で、社員やパート・アルバイトなどの従業員がバラバラな時期に入社するような会社だと

従業員の有給休暇の発生する日がその人ごとに変わってくるため、有給休暇の管理が大変煩雑になりがちです。

そこで今回この記事では、そんな煩雑な有給休暇の管理を少しでも楽に出来るように

有給休暇の基準日を統一できる、斉一的取り扱いというものがあるので、図を使いながらこの制度の内容を簡単に紹介したいと思います。

有給休暇の基準日を統一できる斉一的取り扱いとは?

冒頭でも書いたように、この基準日(有給休暇が発生する日)は通常従業員ごとにまちまちです。

そこで、この管理の煩雑さを解消するために、有給休暇の斉一的取り扱いというものが通達で認められています。

この有給休暇の斉一的取り扱いとは簡単に言うと、普通は入社から6カ月、それ以後は1年ごとに発生する有給休暇を

会社が指定した日付に変更して基準日を統一してしまう!という制度で会社全ての従業員に対して実施することが原則です。

 

またこの斉一的取り扱いを採用するためには、以下の2つの条件を守る必要があります。

  • 斉一的取り扱いを実施するに当たって、有給休暇の付与要件である8割の出勤率を計算する場合に、短縮された期間は全期間出勤したものとみなす。
有給休暇斉一的取り扱い短縮された期間は出勤とみなす

これは考えてみれば当たり前ちゃ当たり前なんですが、有給休暇の基準日を統一するということは、通常よりも早く有給が発生するということで

早く発生した分の期間の出勤率は全て出勤したことにしてくださいよー!ということです。

 

  • 次年度以降の有給休暇の付与日数についても、初年度の付与日数を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ期間法定の基準日よりも繰り上げること

え?何言ってるの?って感じだと思いますが、要は有給休暇の基準日を統一して、基準日が繰り上げになった時は

その繰り上げになった基準日から1年経過日が次の基準日ですよ、ということで

たとえば、上の図で言ったら4月1日が統一した基準日なので、次の有給休暇が発生する基準日は1年後の4月1日ということになります。

 

またここまで見てみて、有給休暇の基準日とか出勤率とかの基本的な仕組みがよくわからない、という方は

以下の記事(通常の有給と比例付与の有給について)で詳しく説明しているので、1回目を通して頂けると理解がスムーズになるかもしれません。

有給休暇の仕組、どんな条件でいつ何日発生するのかをわかりやすく解説

2018.04.27

パート・アルバイトの有給休暇とは?具体例と日数表で簡単理解!

2018.05.11
社労士オザワ
そして次からは、もっと具体的に図を使って有給休暇の基準日を統一した場合の2つのケースを紹介したいと思います。

参考通達:平成6年1月4日 基発第1号

有給休暇の基準日を統一した具体的なケース

それでは、有給休暇の基準日(有給が発生する日)を統一する斉一的取り扱いの基本的な仕組みがわかったところで

次は基準日を統一した時のケースを具体的に見ていきたいと思います。

まず、この基準日を統一する際の前提として、入社から6カ月そしてその後は1年で有給が発生する

この基準と原則の付与日数を下回るものは労働基準法で違法になりますので、管理上楽になるからと有給の発生日を少し先延ばしすることは出来ないので注意してください。

それでは始めに

有給休暇の基準日を1つだけ、4月1日に統一したケース

新しく入社した①

●入社時に有給休暇を付与しない場合

有給、基準日を統一、入社時に有給を与えないケース

●4月1日入社

1回目 2018年10月1日有給発生

新たに入社した時は6カ月で有給が発生するためです。基準日を統一したからと言って、6カ月を無視して1年後に有給を与えることは違法です。

2回目 2019年4月1日有給発生

統一の基準日なので、次はここで発生しますよね

3回目 2020年4月1日有給発生

2回目以後は、1年ごとに発生します。またここから以下の具体例全てで、統一された基準日以後の有給発生日は1年後になるので、省略させて頂きます。

●8月1日入社

1回目 2018年2月1日有給発生

6カ月経過後

2回目 2019年4月1日有給発生

統一の基準日

●10月1日入社

1回目 2019年4月1日有給発生

6カ月経過後が統一された基準日

このような入社時には有給休暇を与えないケースでは、最初は法定の6カ月経過後に有給休暇を与えます。

そしてその次は統一された基準日である、この図だと2019年の4月1日に有給休暇が発生することになります。

またこの図を見てわかると思うのですが、特に

4月1日以降は2回目の基準日が

10月1日以降は入社日が

統一された基準日に近づけば近づくほど有給が発生する期間が短くなるので有利になります。

そして入社時に有給休暇を与えないと、新規入社ごとに6カ月後の有給が発生するので、少し管理が面倒かと思います。

 

そこで次は

 

新しく入社した②

●入社時に有給休暇を付与する場合

有給、基準日を統一、入社時に有給を与えるケース

●4月1日入社

1回目 2018年4月1日有給発生

入社日に付与されるため

2回目 2019年4月1日有給発生

統一の基準日

●8月1日入社

1回目 2018年8月1日有給発生

入社日付与

2回目 2019年4月1日有給発生

統一の基準日

●10月1日入社

1回目 2018年10月1日有給発生

2回目 2019年4月1日有給発生

入社時に有給を与える場合も、先ほどと同じで次の有給が発生するのは統一された4月1日になります。

統一された基準日に近づくにつれて有利になることは変わらず

ただ始めに有給を与える分管理が楽になります。

 

今度は継続して勤務している時

 

継続して勤務している
有給休暇の基準日を統一、継続勤務の基準日で有利になるケース

●継続して勤務をしている、2018年4月1日に基準日が統一、本来分は3月1日

1回目 2018年4月1日有給発生

2回目 2019年4月1日有給発生

そして有給の基準日を統一した時だけですが、最初の統一基準日前に本来の基準日が近いほど有給付与の期間が短く得をすることになります。

 

社労士オザワ
この基準日の統一により、入社日によって有給の取得期間や日数が有利になると、従業員の間で不満が出てくるかもしれません

そこで、この不公平感を少しだけ緩和するには、統一された基準日を2つ設けるのも手です。

 

有給休暇の基準日を2つ設けたケース

このケースでは前提として

●基準日①10月1日

4月から9月に入社又は継続勤務で本来の基準日がある人

●基準日②4月1日

10月から3月に入社又は継続勤務で本来の基準日のある人

こんな風に、入社日・継続勤務の基準日ごとに分けてみました。そしてこのケースでは、入社日に有給は与えず、始めは6カ月経過後に与えることにします。

これは6カ月ごとに基準日を設けたので、自然とどの時期に入社しても新規入社の有給発生の6カ月を超えないためです。

それではより具体的に、始めは新規入社のケースです。

基準日①10/1
有給、基準日を統一、基準日が2つのケース①

●4月1日入社

1回目 2018年10月1日有給発生

4月から9月に入った人は①の基準日でしたね

2回目 2019年10月1日有給発生

ここからはずっと基準日①に固定されたので、毎年同じです。

●9月1日入社

1回目 2018年10月1日有給発生

2回目 2019年10月1日有給発生

 

基準日②4/1
有給、基準日を統一、基準日が2つのケース②

●10月1日入社

1回目 2019年4月1日有給発生

10月から3月までは4月に有給が発生します

2回目 2020年4月1日有給発生

●3月1日入社

1回目 2019年4月1日有給発生

2回目 2020年4月1日有給発生

 

次が、基準日が統一された時に会社に在籍していた継続勤務の人のケースです。

ちなみに設定としては2018年から有給の基準日を統一することにしたよ、ということにします。

 

基準日①10/1
有給基準日を統一、基準日が2つで継続勤務①

●4月1日が本来の基準日

1回目 2018年4月1日有給発生

本来発生する分は先延ばし出来ないので、①の基準日は10月1日ですがここで有給を与えます

2回目 2018年10月1日有給発生

4~9に本来の基準日がある人は10月1日が新たな統一された基準日に

●9月1日が本来の有給基準日

1回目 2018年9月1日有給発生

本来発生する分

2回目 2018年10月1日有給発生

①の新しい基準日

 

基準日②4/1
有給基準日を統一、基準日が2つで継続勤務②

●10月1日が本来の基準日

1回目 2018年10月1日有給発生

これは本来分です

2回目 2019年4月1日有給発生

これは10~3に本来分がある人が該当する②の基準日ですね。

●3月1日が本来の基準日

1回目 2019年3月1日有給発生

2回目 2019年4月1日有給発生

 

ここで少しまとめると

このように、有給休暇の基準日を2つ作ることによって、始めに紹介した2つの基準日の統一方法+継続勤務者の考え方である

①基準日を4月1日に統一、入社日は有給を与えない

入社日から最初の有給までは6カ月経過後なので、バラバラになるため管理が面倒だ

②基準日を4月1日に統一、入社日に有給を与える

4月1日以降に入社した人ほど、次の基準日までの日にちが短く得をしてしまうことに

特に、4月1日に入社した人は次の有給まで1年待つ、しかし3月1日入社した人は次の有給まで1カ月と、その待遇差の期間が長い。

③基準日を4月1日に統一、継続勤務者の場合

基準日を統一した時に会社に在籍していた継続勤務者は、統一基準日の前から近くに本来の基準日があればあるほどお得だ

たとえば、4月1日に本来分の有給がある人は次の基準日まで1年待たないと有給はもらえないが

3月に本来分の有給があった人は連続で有給が貰えることになります。

これが基準日を2つにすることで、有給を入社時に与えなくてもよく、管理が楽で

4月1日に入社した人は6カ月待って有給、3月1日に入社した人は1ヵ月待って有給とその差は半分に

そして、継続勤務者についても、4月1日に本来の有給がある人も次は6カ月待って有給、3月1日に本来分があるひとは1ヵ月、とこちらもその差は半分になりました。

まとめ

今回は、有給休暇の基準日を統一する、というテーマで記事をまとめました。

そしてこの有給休暇の統一、斉一的取り扱いに関しては、始めに挙げた通達の内容と、本来の有給の基準以下にならなければ

自由に会社で制度設計できるものなので、この記事に挙げた方法や統一した基準日の日にちはあくまでも参考例になりますのでご了承ください。

また2019年の春からスタートする有給休暇の義務化と、この斉一的取り扱いについての関係も義務化専門のページにて解説しているので合わせてどうでしょうか

有給休暇取得義務化の内容を解説!誰が対象?会社での対応は?

2018.07.06

他関連記事としては、時間単位の有給休暇や有給休暇中の賃金についても書いています。

年次有給休暇の時間単位での付与とは?制度内容を説明します!

2018.12.07

有給休暇中の賃金は3つの計算方法から選びます

2018.12.14

全体として参考にしたHP

年次有給休暇の斉一的取り扱い/厚生労働省、山形労働局

それでは以上で終わります。

スポンサーリンク