労働条件の決定(労働基準法2条)とは?労使対等のカギは労働組合にあり

労使対等のカギは労働組合にあり
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今回この記事では労働基準法の7原則の1つ労働基準法2条労働条件の決定について、実際の条文からその内容までを解説しています。

そして最後にはこの条文に関連して、実際に労使対等なんて可能なのだろうか?ということも考えていきたいと思います。

また労働基準法1条労働条件の原則については、下記の記事の中で記載してあります。もし興味がある方はご覧になってください。

労働基準法をわかりやすく解説!目的や内容、法違反の結末まで

2018.04.16

 

労働基準法2条労働条件の決定、条文と解説

それではまず始めに、実際の条文は下記のようになっています。

労働基準法2条

1項、労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。

2項、労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を順守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。

条文の引用HP:電子政府の総合窓口 e-Gov 労働基準法

1項はこれは当然ですが、労働者と使用者は労働契約を結ぶ際はどうしても使用者の方が力関係では上になりがちです。なので

労働条件は労働者と使用者が、対等な立場で決定することを宣言していて、そしてこれが労使対等の原則と言われているものです。

そして2項は読んでそのまま、労働者・使用者双方が労働協約、就業規則、労働契約を守ってなおかつその中に規定されている義務を履行してくださいということ。

特に2項は

民法1条2項

権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

条文の引用HP:電子政府の総合窓口 e-Gov 民法

上記は信義則といい、人と人との社会生活においては、権利の行使や義務の履行にあたって相手方の信頼や期待を裏切らないように誠意をもって行ってくださいね!ということで

この民法の基本的な考えを労働基準法に取り入れたものです。

そしてこの労働基準法第2条は労働基準法の基本的な考え方を示した理念的な規定のため罰則はありません。

 

労働協約・就業規則とは

ここでは知らない人のために、先の条文で出てきた2つの用語について解説していきます。皆さんは労働協約や就業規則ってどんなものか知っていますか?

労働協約

労働組合と使用者が団体交渉によって合意した労働条件を書面にまとめたもの。その組合員にのみ効力が生じます。

就業規則

常時使用する労働者が10人以上の事業場は作成し、労働基準監督署に提出しなければならない、内容は絶対的必要明示事項と相対的明示事項に分かれていて、職場の労働者の労働条件や服務規律を定めて書面にしたものです。

 

労働基準法・労働協約・就業規則・労働契約それぞれの力関係

労働協約・就業規則・労働契約、労働者と使用者が守らなければならないものが3点出てきましたが、この3点と労働基準法を含めて力関係(優先順位)があります。

この法的な優先順位は

①労働基準法②労働協約③就業規則④労働契約

この数字の順番通りになっており

就業規則に反した労働契約はその規定が無効になり就業規則が適用される。

労働協約に反した就業規則・労働契約はその規定が無効となり労働協約が適用。

法律に違反した労働協約・就業規則・労働契約はその規定が無効となり法律が適用されます。

 

労使対等は実現可能か

先ほど説明した労使対等の原則ですが、条文自体は理念規定で罰則はありません

そして一見この法2条1項の労使対等の原則なんて実現することは不可能に思えますが、そこで労働基準法とは別に用意されている法律が労働組合法です。

以下に簡単な法律の説明をしていくと

●労働組合法

憲法28条に規定する労働者の団結権・団体交渉権・団体行動権について法律で具体的に示したもの。

この労働組合法上の労働組合と認められれば、正当な団体交渉での刑事面罰や、民事免責など法的な保護が受けられる、そしてこの法律では労働組合法上の労働組合との団体交渉は

会社においては必ず受けなければならないことになっている。

この法律によって、立場の弱い労働者に団結する権利を法的に与えて、団結した組合には保護を

そして会社には労働条件に関する団体交渉を受けることを義務づけて、労使対等が実現できるようにしています。

 

実際私は、以前労働組合があってその活動が盛んな会社に勤めたことがあり、職場での組合の代表になったこともありました。

その中で就業規則の変更や夏と冬のボーナス時期の前になると、労使間の交渉の場が開かれて、ボーナスの予定が額や就業規則の変更について使用者対して職場の意見を伝えていました。

でもこのような組合がない会社だと、労働条件について使用者に思いを伝える機会が乏しいかほとんどないので労使対等とは言えないでしょう。

 

参考HP

日本労働組合総連合会、みなさまへ

厚生労働省HP、労働組合

 

まとめ

労働基準法2条労働条件の決定について、この条文は労働者と使用者が対等の立場で労働条件を決めることを宣言した条文で

そしてこの労使対等の原則は、それだけだと罰則も無いし実現することが難しいので、この法律とは別に設けられたのが労働組合法だと言えます。

最近では、労働組合の組織率が低下してきているなんてこともありますが、個人的には労働組合の活動は労働者にとって自分の働く環境を良くする重要なものだと思います。

また自分の会社で労働組合がない場合には、職種別の労働組合などがあるので自分で調べてみて加入するのもいいかもしれません。

それでは、以上で終わります。

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ABOUTこの記事をかいた人

社労士オザワ

2017年6月に都内で社会保険労務士の登録をしました。 現在非開業、その他登録の社労士です。 このブログでは、労働関係の法律についての知識や 自身の体験を元に、労務管理の情報を発信しています。