労基法上の労働時間・休憩の基本と定義を知って未払い賃金を防ごう

労働時間
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労働時間と休憩は毎日働いている人にとってはとても身近な話題であり、経営者の方にとっては労務管理の基本であるため具体的な数字に関しては理解している方も多いのではないでしょうか。

しかし労働時間と休日は具体的な数字も大切ですが、その定義や原則が重要になってきます。

なぜなら会社が意図していない時間が労働時間や休憩と判断されると、それだけで法違反になったり未払い賃金が発生するからです。

 

そんな労働基準法違反の話は以下の記事で説明しています。

労働基準法をわかりやすく解説!目的や内容、法違反の結末まで

2018.04.16

 

当ブログ管理人
そこで今回は労働時間と休憩の基本からその定義、原則までを具体例も交えて解説していきたいと思います。

 

労働基準法における労働時間の定義

時間

労働基準法の労働時間に当たるかどうかは労働契約や就業規則で定められた会社が一方的に決めた時間ではなく

休憩時間を除いた使用者の指揮監督下(業務性といい使用者により業務命令を受けていること)に置かれ実際に労働している時間を言います。

そしてこの労働時間はこの指揮監督下と業務性により労働時間が客観的に判断されるのです。

 

それだけじゃ意味がわからないと思うので、具体例を出すと

●全員強制参加で就業時間前に朝礼・準備体操を行っている

強制されていたため指揮監督下ありで労働時間

 

●業務命令で研修を受けてきた

業務命令のため業務性ありで労働時間

 

もっと微妙なケースだと

 

●就業時間前の着替えの時間

その作業のためにどうしても必要なものなら業務性ありで労働時間

 

また実際業務上の指示はしなくても、朝礼や体操に参加しないと査定が下がるといった場合には黙示の指示が認められ労働時間になります。

 

このように労働時間は指揮監督下と業務性をみて客観的に判断されるので、思わぬ時間が労働時間と判断されることになるので注意が必要です。

そしてこの労働時間に当てはまると、当たり前ですが賃金が発生することになります。

参考HP:独立行政法人労働政策研究・研修機構、Q2.法律上、労働時間とはどのように定義されていますか。

 

所定労働時間と法定労働時間の違い

労働時間は休憩時間を除いて1週間で40時間、1日で8時間を超えて労働させてはいけないことになっていて、この時間を法定労働時間と呼びます。

この法定労働時間を超えて労働した場合が、時間外労働(残業)となり割増賃金の支払いが必要になります。

 

そして所定労働時間とは、この法定労働時間を超えない範囲で定めた労働時間を言い

またもし所定労働時間が法定労働時間よりも短い場合(1日の労働時間が7時間)は所定労働時間が8時間を超えるまでは残業代が法的には発生しないので注意が必要です。

 

根拠条文:労働基準法32条、法定労働時間

実際の条文は電子政府の総合窓口 e-Gov 労働基準法にて確認できます。(以下同じ)

 

社労士オザワ
ただ労働基準法では、この1週や1日の法定労働時間の枠組みにとらわれない働き方が出来る

変形労働時間制といった制度があるんですけど、皆さんは知っていましたか?

そしてこの変形労働時間制の中で、このブログでは法改正予定のフレックスタイム制を記事にしています!

フレックスタイム制、労基法改正での変更内容とは?

2018.07.03

また行政のHPもわかりやすくまとめられているので、参考になりますよー

厚生労働省、変形労働時間制の概要

 

法定労働時間の特例、週の法定労働時間が44時間になる業種

業種

これは知らない人が多いと思いますが、この1日8時間1週40時間の法定労働時間には特例がありその事業は特例対象事業と呼びます。

この特例の要件は

●常時10人未満の労働者を使用している

要は9人以下、一時的に10人以上になるのはOKです。またパートやアルバイトなど全ての雇用形態を含みます。

●商業、映画の作成を除く映画演劇、保健衛生、接客娯楽業 これら当てはまる事業場(会社ではなく事業所単位)

具体的には商業が美容院・物を売るお店等、保健衛生が歯科医院とか診療所等、接客娯楽業が料理店・旅館等になります。

上記の要件に当てはまる事業場は、特に行政に届け出る必要もなく当然に法定労働時間が週44時間までとなります。

 

要は普通の事業場だと1日8時間働くと週5日で法定労働時間の限度40時間になりますが

この特例対象事業だと暇な曜日1日は4時間働き、他の曜日は8時間働いて週6日勤務して週合計44時間働いたとしても残業代が発生しないといった運用ができるのです。

 

根拠条文:労働基準法40条、特例・施行規則25条の2第1項

 

労働基準法上の休憩時間と3つの原則

それでは次に休憩時間の考え方を見ていきましょう。

労働基準法では、使用者は以下の労働時間に応じた休憩時間を労働者に与えることとなっています。

 

6時間以下 不要

6時間を超えて8時間以下(6時間を超えては6時間は含みません)45分

8時間を超えて(8時間は入らない)1時間

 

また休憩には以下の3つの原則が定められています。

 

途中付与の原則

これは休憩は労働時間の途中に与えなければならないということで、仕事の始めや終わりに与えることは禁止されています。

また休憩時間を分割して与えることは可能とされています。(30分ずつ2回とか)

休憩一斉付与の原則

これは休憩は全労働者に一斉に与えてくださいということで届け出は不要ですが、休憩は交替でしますよという労使協定を締結すると交代での休憩が可能になります。

しかしこの一斉付与の例外として、運輸交通業・商業・金融広告業・映画演劇業・郵便通信業・保健衛生業・接客娯楽業・非現業の官公署は届け出無しで交代制の休憩が可能になります。

なので実際は労使協定を締結しなくても交代で休憩させることが出来る事業所は多いと思います。

自由利用の原則

これは休憩時間は労働者が業務から完全に離れて自由に利用できなければならない、という意味です。たとえば下記のような場合はどうでしょうか?

 

●休憩中に電話番を任せていた

電話番を任せることが業務性ありと判断され休憩とは認められない。

●夜勤の仮眠休憩に何かあった時は起きて対応しなければならない

何かあった時は対応しなければならないため業務性ありと判断され休憩とは認められない。

また休憩時間中の外出を許可制とすることは合理的な理由があるときのみ合法になります。

 

根拠条文:労働基準法34条、休憩

参考HP:独立行政法人労働政策研究・研修機構、Q7.休憩時間についてはどのような法規制がありますか。

 

まとめ

労働者の方にとって労働時間、休憩について知ることは自分の権利を主張する際の根拠になるのでとても重要です。

また経営者の方には、労働時間や休憩の定義を知ることによって意図していない時間が労働時間になることを防止し賃金請求等の労務管理上のリスクを低減できると思いますので

社労士オザワ
あれ?自分の会社の労働時間や休憩時間はおかしいな!と思ったら早急に見直しが必要になってくると思います。

 
それでは以上で終わります。

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ABOUTこの記事をかいた人

社労士オザワ

2017年6月に都内で社会保険労務士の登録をしました。 現在非開業、その他登録の社労士です。 このブログでは、労働関係の法律についての知識や 自身の体験を元に、労務管理の情報を発信しています。